江東公会堂管理事務所
主事 早川 正悟
オーケストラ・ディマンシュ第5回演奏会が無事開催されたことを心よりお喜び申し上げます。また楽団員の皆様、演奏会に関わった多くのスタッフの皆様、本当におめでとうございます。
ティアラこうとうは、以前の江東公会堂を全面的に改築し、平成6年12月にリニューアルオープンした施設です。クラシックや演劇等、その他様々なコンサートに対応できる1234席の大ホールとピアノ発表会や芝居等に最適な小ホール、その他レセプションホールや5室の音楽練習室を兼ね備え、以前よりもさらに使い易く、利用者ニーズを追及した建物です。また、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団と東京シティ・バレエ団と提携し、身近に芸術と触れ合う機会を提供するための環境づくりに日頃から取り組んでいます。その延長として、オープニングでは提携団体の演奏会や新星日本交響楽団、読売日本交響楽団のクラシックコンサートやポップス、ミュージカルを自主事業として行ってきました。
ティアラこうとうも無事オープニングを終え、2年を迎えたわけですが、約80公演近い事業に関わって感じたことがあります。それは、どんなにテクニックのあるプロ集団であっても、アマチュアのオーケストラであっても気持ちの入れ方や情熱は全く変わらないということです。むしろ、技術的に劣っているかもしれませんが、アマチュア団体の方がある意味での『一生懸命さ』があるように思えます。主催・共催・協力事業という形式的な流れの違いはありますが、成功させようとする演奏家やスタッフ達の情熱はひしひしと伝わってくるのです。その情熱は当然のごとく観客へと伝わり満足させるのです。プロ・アマという外見的な判断で音楽を楽しむのではなく、聴衆へ気持ちをどう伝えるかということに意味があるのです。
私はこの職業に就く前、『クラシック音楽』という世界のことを殆ど知りませんでした。知ろうとする意欲もさることながら、形式にこだわり過ぎ、ある特定の人達だけの『娯楽』としての先入観に『おもしろくないはずだ』と決めつけていました。ところがある人の紹介で某プロオーケストラの演奏会を聴いた時、その気持ちが逆転したのです。素人の私が聴いても上手だとは思いませんでした。しかし、演奏者の意欲と情熱が心の中に非常なショックを与えたのです。
現在、東京には10のプロオーケストラが存在しています。しかし、その団体を支援するだけのオーディエンスが圧倒的に少ないようです。この状況の中、今後この団体が生き残っていくためには、私同様の気持ちを持っていた人達が魅力を感じるような企画や、楽団員一人ひとりの『意欲』や『情熱』のある演奏をしなければ、生き残っていくには難しいように思えます。しかしながらオーケストラ・ディマンシュは『意欲』と『情熱』を兼ね備えたとても素敵な楽団といえます。私は彼らの若くて活きの良い演奏が好きです。
下町文化風俗に粋なクラシック音楽。ジーパン姿にお揃いのスニーカーを履いた若いカップルや新聞に穴があくほど読むご老人も、ふと思い立ったように足を運び身近な芸術鑑賞を楽しめる機会が増えたならば.... オーケストラ・ディマンシュならその要望に応えてくれそうな気がします。
ティアラこうとうと一緒に....身近な芸術をめざして。
これは、オーケストラ・ディマンシュ第5回演奏会プログラムに寄せていただいたものです。